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小池 良浩*; 目時 直人; 森井 幸生; 吉田 良行*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦*
Journal of the Physical Society of Japan, 66(12), p.4053 - 4054, 1997/12
被引用回数:5 パーセンタイル:47.58(Physics, Multidisciplinary)DyCuは帯磁率などの測定からT=31.5Kで磁気秩序を示す。熱膨張率の測定では約20Kにも異常が見られ、この温度で磁気転移が存在することが示唆されていた。そこで中性子散乱実験により磁気構造の変化を調べた。その結果20Kでの磁気転移の存在を確認した。低温相(T20K)はa軸方向に3倍周期の磁気構造を持ち、(i)(h1/30l)(h+lが偶数)と(i')(h0l)(h+lが奇数)、で表される位置に磁気散乱が観察され、それぞれ別の磁気秩序変数のように振る舞い、(1/300)と(000)の2つの反強磁性ベクトルが存在することがわかった。高温相(20KT30K)では磁気散乱ピークがincommensurateな位置(i')(h[1/3+]0l)(h+lが偶数、~0.012)に観察された。一方、20前後で(200)及び(002)核散乱ピークの位置、及び強度になんら温度変化は観測されず、この温度で結晶構造に大きな変化が生じていないことがわかった。以上の実験結果から、高温相で非常に長周期のincommensurateな磁気構造が安定であることが明らかとなった。
下司 和男
Ferroelectrics, 66, p.269 - 286, 1986/00
テトラメチルアンモニウム・テトラハロゲン金属化合物、{N(CH)}XY(X:Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn;Y:Cl,Br)は、不整合変調波数のロック・インによって種々の整合構造が安定となる。圧力-温度の二次元空間内での相安定性を調べることにより、これらの化合物にみられるさまざまなロック・イン転移を統一的に記述することができることを示した。また、-ZnCl,-CoCl化合物に対する重水素化効果と圧力効果の相関性、-XBr化合物の特異な圧力効果について、主に著者らが行ってきた実験結果の解説を行った。
下司 和男
Ferroelectrics, 64, p.97 - 106, 1985/00
RbZnCl,RbZnBr,KZnClは、KSeOと同様に、基準相不整合相強誘電相の相転移をすることが知られている。これらの物質の相転移の機構を明らかにするため、相転移に対する静水圧の効果を~0.8GPaまでの圧力範囲にわたって調べた。基準-不整合転移温度は、RbZnCl,RbZnBr,KZnClではいずれも圧力とともに増大する。これはKSeOの場合、圧力とともに減少するのと対照的であるが、KSeOの転移が変位型であるのに対し、他の化合物の転移が秩序-無秩序型であることを反映しているものと思われる。キューリー温度はいずれも圧力とともに減少する。RbZnClおよびRbZnBrでは、高次の整合相に対応するとみられる高圧誘起相が新たに見出された。
幡野 純*; 久米 信幸*; 久保田 賢司*; 塚本 桓世*; 二馬 秀夫*; 下司 和男
Japanese Journal of Applied Physics, 24(SUPPL.24-2), p.844 - 846, 1985/00
SC(NH)およびSC(ND)結晶に、0.1~10kVmsの間の種々の印加速度で電場を加え、誘電履歴曲線を観測した。この結果から、電場-温度平面内での相図を得た。SC(NH),SC(ND)の不整合相は、共に約2MVmの印加電場で消失する。また、強誘電相-不整合相の転移点は電場の印加速度によって大きく変わり、格子欠陥によるdiscommensurationのピン止め効果がはたらいているものと考えられる。
下司 和男; 飯泉 仁
Journal of the Physical Society of Japan, 53(12), p.4271 - 4278, 1984/00
被引用回数:31 パーセンタイル:85.46(Physics, Multidisciplinary)中性子散乱によって、KZnClのノーマル・インコメンシュレート相転移を調べた。KSeOの場合と異り、ノーマル相でソフト・フォノンは検出されなかった。(h,o,l0.3)に散漫散乱が見出され、その強度は温度が転移点に近づくに従って、Curie-Weiss適に増大する。この結果は、KZnClの相転移が、秩序-無秩序的であることを示している。
長谷部 勝彦*; 増山 博行*; 谷崎 茂俊*; 下司 和男
Journal of the Physical Society of Japan, 53(5), p.1863 - 1865, 1984/00
被引用回数:5 パーセンタイル:52.64(Physics, Multidisciplinary)重水素化化合物{N(CD)}CoClの逐次相転移に伴う結晶構造の変化をX-線回折によって調べた。常圧で高温から低温へ向って、Pmcn,不整合,P2cn,P112/n,P12/c,P222の構造が順次安定化されることが明らかになった。軽水素塩{N(CD)}CoClの相転移とその圧力効果との関連を議論した。
下司 和男
Journal of the Physical Society of Japan, 51(8), p.2532 - 2537, 1982/00
被引用回数:36 パーセンタイル:87.83(Physics, Multidisciplinary){N(CH)}XCl(Xは2価金属イオン)の不整合構造及び、変調周期のロック・イン機構によって生ずる強誘電相又は強弾性相の安定化に関して、近年多くの研究が行われてきている。相転移に対する水素結合の役割を明らかにする目的で、重水素置換化合物{N(CD)}XCl(X:Zn,Co,Cu)の単結晶を育成し誘電測定によって相転移の様相を調べた。-ZnCl塩では、強誘電相の消失、-CoClでは低温側の不整合相の消失が重水素置換によってもたらされた。しかし、-CuCl塩の相転移に関しては、重水素置換による僅かな転移温度の変化のみが見出された。上の結果を靜水圧の効果と対比させて、転移の機構の議論を行った。
長谷部 勝彦*; 増山 博行*; 谷崎 茂俊*; 下司 和男
Journal of the Physical Society of Japan, 51(4), p.1045 - 1046, 1982/00
被引用回数:40 パーセンタイル:95.23(Physics, Multidisciplinary){N(CH)}CuBrの不整合-整合転移による強誘電構造の安定化をX-線回折により調べた。-2C~-31Cの間で(h、k;l)に衛星反射が観測された。の値は約0.6である。-31C~-36Cの強誘電相では=1/2の超格子反射がみられる。b-軸方向の不整合変調とその整合化によるc-軸方向の自発分極の出現は、硫酸アンモニウム型結晶のうちで本物質で最初に見出されたものである。
下司 和男; 飯泉 仁
Journal of the Physical Society of Japan, 51(4), p.1047 - 1048, 1982/00
被引用回数:3 パーセンタイル:53.14(Physics, Multidisciplinary)重水素化チオ尿素SC(ND)の衛星反射(0.2)を、試料に電場を印加した場合と印加せぬ場合につき、中性子回折によって調べた。印加電場0の場合、199K附近にみられる弱い強誘電性を示すIII相の温度領域で、は連続的に温度変化をするのに対し、印加電場129kVmの場合、約2.6Kの温度範囲にわたっては、1/8の値にクランプされる。すでに報告した電場-温度相図と対照することにより、チオ尿素のIII相の強誘電性は不整合格子周期が8Coにロックインされる機構によって生ずることが明らかになった。
増山 博行*; 谷崎 茂俊*; 下司 和男
Journal of the Physical Society of Japan, 50(5), p.1415 - 1416, 1981/00
被引用回数:18 パーセンタイル:82.8(Physics, Multidisciplinary){N(CD)}ZnClの不整合-整合相転移をX線回折と誘電率の同時測定によって調べた。室温で不整合衛星反射が(h0l0.423)に見られる。8.8C以下で、反射は(h0l0.429)へ不連続的に変化する。1.8C以下で単斜晶整合相へ転移する。外力を加えることにより、C軸方向の格子周期が2倍になる応力誘起相が見出された。軽水素塩の場合と異なり、強誘電相は見出されない。
下司 和男; 飯泉 仁
Journal of the Physical Society of Japan, 48(5), p.1775 - 1776, 1980/00
被引用回数:64 パーセンタイル:95.36(Physics, Multidisciplinary){N(CH)}CuClの斜方晶相,単斜晶相の間に不整合構造を示す中間相が20.5C~27Cの温度範囲に存在することを中性子回折によって明らかにした。不整合相に於て、衛星反射が(2,0,1-(1/3-))に認められ、パラメータ-の値は0.007で温度変化は著るしくない。20.5C~-11Cの間の単斜晶相では、衛星反射は整合位置(=0)に存在する。-11C以下で衛星反射は消失する。
下司 和男; 飯泉 仁
Journal of the Physical Society of Japan, 46(2), p.697 - 698, 1979/00
被引用回数:217RbZnCl,KZnClの(h,o,l(1/3-))にみられる衛星反射を中性子散乱によって調べた。不整比構造(0)を示す相が 30C~-81Cの温度範囲でRbZnClに、130C~280Cの温度範囲でKZnClにそれぞれ見出された。この結果これらの強誘電体でも、すでに報告されているKSeO,RbZnBrと同様に、不整比-整比相転移によって強誘電構造が誘起されることが明らかになった。パラメーター の温度変化を測定し、RbZnBrの結果と対照して議論した。
飯泉 仁
固体物理, 12(7-8), p.390 - 398, 1977/08
結晶の基本構造と適合しない同期の原子変位波が凍結したIncommensurate(IC)構造は独特の性質を示し、最近興味を引いている。ここではIC構造相転移を示す物質を概観し、IC構造の示す諸性質とその現象論的説明を与える。IC構造特有の格子振動励起としてのPhason概念の説明と観測例を示す。